ニキビの膿を出す

ニキビを潰してよいかについて
詳しく解説したいと思います。
以下のページも参照ください。

ニキビの膿を出すことによるニキビ治療

ニキビを潰すとどうなる?

ニキビを潰すと、
中から白い膿が出てきます。
「ニキビの芯」ともいいます。

このニキビの膿を
出し切ることができれば
早くニキビは治ります。(注1)

また、通常は、ニキビを潰しても
その部分は自然治癒力により
もとの状態に戻ります。

従って、ニキビを潰して
膿を出すことは
基本的には、良いことです。
弱い圧で膿を出せればベストですね。

では、ニキビを潰すことの問題点は何か?

問題点1:膿を出しきれない

まず、ニキビを潰しても
膿を出し切れない場合があります。
その場合、残った膿の部分に
再び膿が溜まってくることがあり、
治癒が遅れることがあります。

問題点2:さらに強い圧をかける

次に、膿がなかなか出ない場合に
さらに強い圧をかけてニキビを
潰すことになる点も問題です。

このニキビを潰す圧が
強ければ強いほど
その部分の赤みは長く残ります。
年齢が高くなると、
自然治癒のスピードも遅くなり
色素沈着やシミとなることもあります。

問題点3:ニキビ跡が出来ることがある

ニキビを潰すとニキビ跡が出来ると
今でもよく言われています。

どうしてニキビ跡が出来るかを
考える前に
そもそもニキビ跡とは何か?を
語っておかないと話になりません。

ニキビ跡とは何か

ニキビ跡の使われ方を見ると
いくつかの意味があります。

【1】
ニキビを潰した部分に
数日~1週間ほど赤みが残る場合。

この意味であれば、すぐに治るし
当たり前のことなので
議論する必要はありません。

【2】
ニキビを潰した部分に
赤みや赤紫の色素沈着が
数か月~数年残る場合。

真皮内に赤みが残ると
長期間の赤みが続きます。
この場合の治療方法は
昔は、Vビーム等の色素レーザーが
よく使われていましたが
現在は、フラクショナルレーザーで
治療することが多いです。
比較的簡単に治ります。

赤み系ニキビ跡の分類

【3】
盛り上がる現役ニキビが
複数あることで
肌表面が凸凹している場合。

これは、ニキビを潰したことと
直接関係していませんが
これもニキビ跡と
言われることがあります。
このタイプは後述しますが
ニキビ治療として緊急性が高いものと
考えてください。

【4】
現役ニキビは無いけど
ニキビを潰した、あるいは、
ニキビが潰れたことで
肌表面が凸凹している場合。

これが、真の意味というか
狭義のニキビ跡の意味になります。

これだと、凸凹になっている部分を
平にする治療が必要です。
主に、フラクショナルレーザーで
真皮の再生を促しながら治療します。
治療には、時間もお金もかかります。

ニキビ跡治療解説

【注意点】
これらのニキビ跡は、
単独の場合もあれば
混在している場合もあります。

ニキビを潰すとニキビ跡になるのか?

ニキビを潰す=ニキビ跡であれば
ほとんどの人の肌にニキビ跡が
残っていることになりますが
(上記【2】と【4】の意味)
実際には、そうなっていません。

従って、ニキビを潰すから
ニキビ跡が出来るという
そんな単純な話にはなりません。

ニキビを潰した(潰れた)ことで
ニキビ跡になった人と
ニキビ跡にならなかった人とで
どのような違いがあったのかを
考えていく必要があります。

【注意点】
エビデンス(科学的根拠)が
どうこう言う人もいますが
この分野でレベルの高いエビデンスは
当分、出てこないと思いますよ。

皮膚科の先生の中にはいますよ。
エビデンスがないから何もしない。
自分の考えを言うわけでもない。
批判だけはする。

何も注意喚起してこなかったことで
ニキビ跡が出来た人がいるわけです。

もっというと
エビデンスのある治療でも
再検討が必要なものが
あるのかもしれません。

どんな場合にニキビ跡となるのか?

発生のメカニズムとしては
ニキビで生じた炎症により
毛穴周辺の真皮部分が壊され
瘢痕が作られるからと言われています。

では、どんな条件が揃うと
毛穴周辺の真皮部分まで壊されるのか?

美容皮膚科ナビでは
ニキビ膿が存在している深さ・時間と
その人の肌質が怪しいと考えています。

膿が深い部分にたまるニキビ

ニキビの分類の仕方には
いろいろあるみたいですが
ここでは、ニキビの膿が
浅いか深いかで分けて考えていきます。

ニキビが初めて出来たころは
非常に浅い部分に出来ていたはずです。

しかし、ニキビを繰り返すうちに
徐々に深い部分にも
膿・炎症が生じてくるようになります。

何故、深くなっていくのかは不明です。
しかし、このあたりに
ニキビ治療の本質があるような気がします。

ニキビの膿が出る道

前述のように、ニキビは膿を出し切れば
早く治癒していくわけですが
ニキビ治療がやっかいなのは
簡単に膿が出てくれない点です。

通常、ニキビを潰すと
溜まった膿は、毛穴から出ていきます。
膿が通れる道(一本道)があると
考えてください。

ところが、何らかの理由により
溜まった膿が毛穴から
出てこないことがあります。
ここでは、毛穴出口に向かう道が
細くなっていたり、
複雑になっていたり
出口が塞がれていることもあると
考えておきます。

出口が塞がれていれば当然ですが
道が細くなっていたり、
複雑になっていれば
いくら強い圧でニキビを潰しても
なかなか外に膿は出てくれません。

膿が外に出なければ
圧をかけたことにより
さらに内部の炎症が強くなり悪化します。

【注意点】
それでも出そうとする人もいます。
人によっては、消毒した針や、
爪楊枝をニキビの部分に刺して
強制的に膿が出る道を作る人もいます。

うまく膿排出できても
肌に傷を作ることがありますし
うまくいかなければ
治癒がさらに遅れて
肌に傷を作ることもあります。
これが最悪のパターンです。

肌質

ニキビ膿の出口が塞がりやすい
あるいは、ニキビ膿が出にくい
肌質になっている人がいます。

・肌が乾燥ぎみ
・肌が硬め
・角質が厚い(角質は出口部分)

ニキビは皮脂発生が大きな原因と
なっているため
どうしても肌を乾燥させる方向の
スキンケアに行きがちです。

また、ニキビ菌も原因の1つと
なっているせいか
アルコール消毒をする人がいたりと
皮膚に負担がかかることが
行われがちです。

スキンケアによる対策は
非常に重要になると考えてください。
ここを間違えると
ニキビ跡発生のリスクが高まる
くらいに考えてください。

【ポイント】
湿潤療法という考えがあります。
簡単に説明すると
傷口は乾かさずに
潤った環境にする方が
綺麗に治るというものです。

ニキビのスキンケアで湿潤環境を
作ることはありませんが
同じような発想で考えることは可能です。

ニキビのスキンケアにおいても
保湿された肌の方が
自然治癒力が高くなる可能性があります。

理由の点は、はっきりしなくても
経験上、ニキビのスキンケアでは
保湿した方が良いというのは
ほぼ確定だと思います。
とにかく保湿は行ってください。

ニキビの膿が出ないとどうなる?

まず、前提として
何もしなくても
膿が消えることはあります。

なお、埋没毛等のゴミが
皮膚内に残っていると
膿はなかなか消えません。

前述のように、ニキビ跡発生は
炎症が毛穴周辺の真皮部分を
壊すからと言われていますが
その真皮部分の破壊は
炎症が生じている時間が
大きく影響していると考えています。

それ故、炎症の原因となる膿が
外に出ないで残っていると
炎症が生じている時間は長くなり
その分、真皮破壊のリスクが
高まると考えます。

特に、皮膚の深い部分に膿があり
内側から大きく盛り上がってきている
ニキビについては
炎症時間が長くなりがちなので
要注意と思われます。
(前述した【2】のニキビ跡)

膿が出にくいニキビの症例画像

【膿が出にくいニキビ画像1】

画像の下アゴと頬の小さなニキビは
膿の出口が見えていませんが
炎症で盛り上がっています。
ニキビの膿が出にくいタイプと言えます。

このタイプのニキビは
普通に潰しても膿は出ないと思います。
というか、
そもそも膿が入っているのかも
微妙なタイプとも言えます。
このタイプは潰さないようにしましょう。

今後も、わかりやすい画像があれば
追加して解説していきます。

リスクが高いニキビへの対処法

【じっと待つ】
ニキビが出来る2~3日前に
どんなものを食べたかを思い出し
原因となりそうなものがあれば
それをしばらく食べないと誓いながら
じっと炎症が治まるのを待ちます。

【ビタミンC】
余計な物が入ってないビタミンCの
ローション・クリームを塗ります。
ビタミンCの導入でもいいです。
あとは、じっと待ちます。

【抗生物質内服】
炎症には、抗生物質が出されますが
注意が必要です。

自分に合う抗生物質を
見つけておく必要があります。
また、いつも内服していると耐性が
できてしまうことがあります。

その他にも、抗生物質を飲むことで
腸内細菌バランスが崩れることが
指摘されていています。
抗生物質の使用に批判的な意見が
増えてきています。
一時的なニキビ炎症改善と
長期的な腸内細菌バランス維持の
どちらを重視するのかという話です。

【レーザー】
レーザーで肌に小さな穴をあけて
強制的に膿が出る道を作り
膿排出を行う方法です。
但し、この方法だと
危険なニキビが出来るたびに
クリニックに行かなければなりません。

ニキビ跡になりうるニキビについては
大きな課題であるにもかかわらず
皮膚科・美容皮膚科からの
情報発信は非常に少ないですね。

美容皮膚科ナビでは
この問題を非常に重視しています。

この点を情報発信するクリニックが出てきたら
難治性ニキビ治療に詳しい美容皮膚科
取り上げていきます。

膿が出にくい部位

例えば、骨が下にある部位であれば
骨の硬さが圧を逃がさないので
比較的膿が出やすいといえます。
額など。

逆に、柔らかい部位が対象だと
圧が逃げてしまうので出にくいと思います。

ここら辺は、各自で膿が出にくい部位を
把握するようにしてください。

膿が出たらどうする?

消毒したりする人もいるようですが
何もせずに何もつけないほうが
再発せずに治ることもあります。

この点についても、各自で
何かつけた時と、何もつけなかった時で
どのような違いがあるか把握しておいてください。

医療機関に行くタイミング

ニキビで医療機関を利用する人は
少ないというデータがあるわけですが
自分でニキビを潰して膿が出なかったら
もう自分でなんとかすることは
あきらめましょう。
遅すぎの感じはありますが
この段階なら、まだ間に合います。

あと、ニキビの膿が深いなと思ったら
これも医療機関へ行く決意を
もつようにしましょう。
危険です。

また、皮膚が硬くなってきたら
まずはスキンケアを見直しますが
それでも改善しないなら
医療機関に行くようにしましょう。
ニキビの膿が浅くても注意が必要です。

(注1)膿を出し切る

毛穴に余計なものが入っていると
炎症が起こります。
全て出し切ることが大切です。

普通は、膿だけですが
埋没毛が原因となり
炎症・膿が生じることもあります。
(髭脱毛なんかではよくある)

あと、粉瘤なんかも同じような発想。
こちらは、膿だけではダメで
膿が入っている袋ごと出さないと
再び、膿ができてしまうと言われています。

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