イソトレチノイン内服

ビタミンA誘導体系のニキビ治療は
ジェルやクリームの外用治療が
一般的ですが
内服による治療もあります。

それがイソトレチノインによるニキビ治療です。

一般的な治療ではありませんが
対症療法としては
非常に強い効力があります。
その分、副作用も大きくなるので
注意が必要な治療となります。

イソトレチノインの位置づけ

イソトレチノイン内服は対症療法になります。

ニキビ治療には
出来てるニキビを治癒する面と
新たなニキビ発生を予防する面の
2面性がありますが

イソトレチノイン内服は
予防がメインとなります。

皮脂が大量に出てしまう原因は不明でも
とりあえず皮脂を止めて
ニキビが出来ないようにしようとする治療です。
そして、角質を正常にしていきます。

ニキビの対症療法の中では
皮脂を止める効力は
一番強いのではないでしょうか。

外側から皮脂を止めようとする治療ではなく
内側から皮脂が出る蛇口を閉じるような治療です。
元栓を閉じるような感じです。

イソトレチノイン内服のニキビ治療ガイドライン評価

ニキビ治療ガイドラインには
イソトレチノイン内服に関する評価はありません。

このガイドラインは
あくまでも「尋常性」ざ瘡が対象です。
イソトレチノイン内服を検討するような
「集簇性」ざ瘡は、対象ではありません。

「尋常性」については
CQ26にビタミン薬内服として
ビタミンA内服の記述がありますが
これは、誘導体ではない
チョコラA等のビタミン剤の話だと思われます。

なお、「集簇性」については
CQ19に少し記述があるくらいです。

厚生労働省の見解

効果が大きい反面、
副作用も大きいため
厚生労働省が注意喚起情報を出しています。

外部リンク:
厚生労働省からの注意喚起

ようするに
医師処方は必須で
個人輸入で勝手に飲むなという話です。

商品名

・アキュテイン(10mg、20mg、40mg)
・ロアキュテイン(10mg、20mg、40mg)
・ソトレット(20mg、40mg)
・アムネスティーム(10mg、20mg、40mg)
・クララビス(10mg、20mg、40mg)
・イソトロイン(20mg)
・アクノティン(10mg、20mg)

日本でのイソトレチノイン処方

医師の診察が必須といっても
どこでも処方してくれるわけではなく
日本では、現在
ごく一部のクリニックでのみ
イソトレチノインが処方されています。

どんなクリニックを選べばいいのか?

上記のように厚労省が注意喚起を
するくらいですから
副作用には注意する必要があります。

医師処方が必須といっても
イソトレチノインを処方する医師が
必ずしもその扱いに詳しいとは限りません。

また、海外の内服薬基準が日本人に
そのまま当てはまるわけではありません。

クリニック選びのポイントを
いくつか挙げておくと

海外(特にアメリカ)で
どのように運用されているか詳しいこと

副作用について詳しいのはもちろん
日本人体型への配慮もされていること
(内服容量や避妊期間)

定期的な検査スケジュールが
明確に決まっていること

このあたりについて
ホームページやブログで
情報発信しているクリニックを
選んでいけばよいと思います。

イソトレチノインと避妊

副作用の中で、やはり気になるのは
胎児への影響ではないかと思われます。

厚労省からの注意喚起にあるように
FDAの基準では
服用期間中+その前後1か月は
妊娠してはいけないとなっています。

しかし、日本で処方しているクリニックでは
妊娠を避ける期間が
定まっているわけではありません。
(ルール作りはされていない)

一番多い基準は、
女性なら服用後半年の避妊ですね。

さらに長いところでは
女性なら服用後2年間は避妊
男性でも服用後半年は避妊という
基準もありますね。

日本ではルール作りされていないので
どの基準が正しいとかはありません。

検査について

イソトレチノインによる副作用は
胎児への影響ばかりではないので
定期的な検査は必須となります。

月1回ペースでの血液検査が必要なので
通院しやすいクリニック選びも重要です。

なお、女性の場合には
妊娠検査も行う必要があるそうです。

保険適応について

手から大量の汗が出るなら
病気として保険で手術可能です。

脇から大量の汗が出るなら
病気として保険で
ボトックス注射が可能です。

それなら、顔から
皮脂が大量に出る場合にも
保険を認めてもよいとも思えます。

顔や頭部に異常に皮脂が出る人は
いますからね。
手汗や脇汗よりも深刻な場合もあります。

また、現状は、
行政の注意喚起だけなので
安全とは言えないですよね。

保険適応を認めて
厳格に運用していく方が
安全だと思いますが。

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