比較的新しいニキビ治療薬

2008年10月に
ディフェリン(成分:アダパレン)が
保険適応となりました。(注1)

現在、保険診療の中心なので
詳しく解説しておきます。

ディフェリン治療の位置づけ

ディフェリンは対症療法になります。

ニキビ治療には
出来てるニキビを治癒する面と
新たなニキビ発生を予防する面の
2面性がありますが

ディフェリンは
治癒と予防の両方に使われています。

ニキビ治療ガイドラインの評価

ニキビ治療ガイドラインでは
ニキビの状態ごとに
推奨度が書かれていますが
どの状態でも推奨度Aとなっています。
(CQ1~4)

また、予防(寛解維持)についても
推奨度Aとしています。
(CQ5)

ようするに皮膚科学会の見解としては
非常に優れたニキビ薬という評価です。

ディフェリンの使用注意点

まず、体内への影響があります。
実際には、外用薬では問題ないであろうと
言われてますが
ビタミンA誘導体系投与の動物実験で
過去に奇形が生じたことがあるため
念のため妊婦さんは使用できず
また、妊娠の予定のある人も使用できません。

次に、肌の状態についての問題もあります。
肌が乾燥しやすくなります。
そして、皮が剥けたり、赤くなったりしてきます。

ここは、ビタミンA誘導体系の治療として
トレチノインと同じような問題があると
考えておけばいいです。

スキンケア用品

肌は、乾燥しやすくなるので
しっかりと保湿をする必要があります。

皮剥けや、赤みは、
スキンケア用品による保湿で
ある程度、防げるはずです。

なお、スキンケア用品については
クリニックにより差が出る部分です。

特に、これまで保険診療を
中心に行ってきた皮膚科だと
自由診療で処方している
スキンケア用品とか
美容皮膚科で売っているような
スキンケア用品(化粧品)について
詳しくないことがあります。

赤み等の期間

スキンケア用品とかに問題がなければ
通常は、赤み等の期間は
1か月程とのことです。

ちなみにですが、
トレチノイン治療であれば
耐性が付くことが知られています。
(インターバルで再使用可能)

トレチノインとアダパレンは別物ですが
ディフェリンでも一定期間使用すると
耐性により効果が劣ってくる
可能性はありますね。
効果が劣る=副作用も減るということです。

ここらへんを説明しているサイトがないので
真相は不明ですが、気になる人は
皮膚科の先生に確認してみてください。

治療目標について

ディフェリン治療は対症療法なので
治療期間内において
存在しているニキビを治し
新たなニキビ発生を抑える治療です。

対症療法なので、治療をやめると
再発することも当然あります。

ディフェリン治療の目的は
治療期間中にニキビを抑制させ
肌が落ち着いている間に
ニキビ原因を可能な限り考え
ニキビの出来にくい生活スタイルを
確立することにあります。

治療期間について

時系列でいうなら2段階あります。
   ↓
(1)ニキビを落ち着かせる段階
(2)落ち着いた肌を維持する段階
   ↓
(3)卒業

結局、治療期間の長さは
ニキビが落ち着いてくるスピードや
ドクターがどれだけ維持の時間が
必要と考えるかによります。

なお、長期的な維持利用は
おすすめしません。
妊婦さんには使えないなど
長期利用を前提にしてないと
思われるからです。

念のため言っておくと
ディフェリンは保険適応ですからね。
「維持」ならまだわかりますが
「予防」目的に近くなれば
自由診療でやってくださいとなります。

ディフェリン治療のポイント

いかに、上記(1)を達成できるかです。
ニキビを落ち着かせることができれば
一応、一安心といったところですね。

なお、ニキビ治療ガイドラインでは
ディフェリンとの併用として
抗菌薬が有効としています。
抗菌薬の利用には注意が必要ですが
とにかく(1)の達成を目指します。

もしも、日常生活で可能な対策をして
ディフェリン+抗菌薬でも
ニキビが落ち着かない場合には
他の手段の検討に入ります(医師と相談)。
保険診療で出来ることは
もうありませんから。

血液検査などで
ニキビが出来る自分の数値と
一般的な数値とを比較して
原因となっていそうなことを
探していくとか

少し強めの対症療法により
(1)の達成を目指す方法等を
検討するとよいでしょう。

今後の課題(医療側の問題)

まず、種類が少ない点です。
現在、アダパレン0.1%のみです。

あとは、結果が出なかった場合の対応です。
ディフェリンが登場したことで
保険診療で満足する患者さんが
増えたのは間違いないでしょうが
満足いく結果が出なかった患者さんは
どうすればよいのかという問題です。

この点が曖昧なのは
仕方のない部分ではありますが
曖昧なままだと
結局、困るのは患者側となります。

ディフェリン治療のクリニック選び

前述のように
スキンケア用品の対応は
クリニックによって差が出るので
まずは、スキンケア用品が
揃っているところを
探すとよいでしょう。

次に、ニキビ治療では
幅広い知識が要求されるので
自由診療のニキビ治療にも
詳しいところを選ぶとよいでしょう。

(注1)ディフェリンの保険適応

ディフェリンは保険適応可能ですが
ニキビの自由診療に力を入れているところは
自由診療としてディフェリンを
処方することもあります。

その他

あまりおすすめしませんが
個人輸入という形で
ディフェリンを購入することもできます。

どこでも扱っているわけではないですが
2015年6月時点では
扱っているところがありました。

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