シミの種類:ADM

後天性真皮メラノサイトーシスは
正確には「アザ」に分類されるようですが
重要なので「シミ」治療で取り上げます。

名前・呼び方

後天性真皮メラノサイトーシス」とか
両側性遅発性太田母斑様色素斑」とか
ADM」と呼ばれています。

なぜ重要なのか?

何故、ADMを覚えておく必要があるかというと
多数のドクターブログに
苦情として書かれているからです。
(他院でADMと分からずに治療されていた等)

後述しますが、ADMであれば
治療手段は限定されてきます。
誤った診断だと治るものも治りません。

ADMの特徴

名前から分かるように
「真皮」に出来ているもので
メラノサイトが深い位置に存在しています。

ソバカスと似ていることもありますが
ソバカスは幼少期よりできるので
発生時期で判断はつくと思います。

問題は肝斑との区別です。
普通、色(青系)や形、境界線で判断がつくだろうと
思われがちですが、そんな単純ではないようです。

ドクターでも判断が難しいものなので
患者側があれこれ言っても仕方ないですが
気になるようでしたら
グーグル画像検索や実際の症例写真を見て
どのようなものかを予習しておくとよいでしょう。

ADMの治療手段

メラニンが深い位置に存在しているため
「強め」の治療が必要となります。
普通は、Qスイッチの以下のレーザーが選ばれます。

トレチノインを使う方法

まずトレチノイン治療
浅い位置のシミを除去してから
深い位置のシミをQスイッチレーザーで取る
クリニックもあります。

この場合、浅い位置のシミが無い状態で
Qスイッチレーザーを打つことになるので
その分、後述する炎症後色素沈着の
リスクが低減するそうです。

光照射機器を使う方法

光照射治療に関しては
ADMには効果なしと一般に言われています。
この点は、注意してください。

どのQスイッチレーザーがいいのか?

どの波長のQスイッチレーザーがADM治療に
適しているかについて
いろいろ見解が分かれるところです。

シミが取れるというだけでなく
炎症後色素沈着の発生率なども考慮して
どれがいいのか考えると思いますが

同じ波長のレーザーでも
機種によってパルス幅や照射ジュール、
スポットサイズなどが違っています。
また、メーカーの実力差もあります。
従って、最終的にはレーザーの波長ではなく
レーザー機種の性能・スペックに依存するのでは
ないでしょうか?

個人的には、ある程度新しくて
しっかりとしたメーカーの機種であれば
どの波長のレーザーでも問題ないと思ってます。

ADMと炎症後色素沈着

ADMは、強めの治療が必要と書きましたが
強めの照射になる場合には
炎症後色素沈着のリスクが高まります。

ADM治療の場合には
炎症後色素沈着は出るものとして
治療を受けるくらいの方が
気が楽だと思いますよ。

ADMの治療回数

ADMは正確にはアザに分類されるものです。
普通は1回の治療では取れません。
複数回通うことになることは覚悟しましょう。
(しかも待機期間も長い)

なお、完全に消すのが難しいこともあるようです。
(ADMが原因なのか機種が原因なのかは不明)

補足

将来的には、1日で除去完了と
なるかもしれません。
(1日に複数回照射)

ADMと保険適応

ADMを保険診療とするかは
現在、意見の分かれているところです。

ADMを保険診療としているクリニックもあれば
自由診療としているクリニックもあります。

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)の保険適用治療について

なお、ADM治療は
心理的な負担が大きな治療なので
仮に保険診療で受けられるとしても
安易に治療を受けるべきではありません。

炎症後色素沈着のリスクなど
一定の覚悟を決めないといけない治療となります。

肝斑が混在する場合もあり

ADMと肝斑が混在している事例もあります。
ADMは、強めの照射をしないと効果が出ないし
肝斑は、強めの照射をすると悪化することがあります。

ただでさえ区別がつきにくいのに
ややこしいですよね。

ADMに有効な手段(Qスイッチレーザー)と
肝斑に有効な手段を持っていることが
治療の前提となりますが
どのような戦略(順番)で治療していくかが
ポイントとなっていきます。

フラクショナルQスイッチレーザーとADM

これは、最新情報になります。
日本では2011年から
フラクショナルQスイッチレーザーによる
シミ治療が始まりました。

フラクショナルQスイッチレーザーのメリットとして
炎症後色素沈着発生の低さが挙げられています。

今後、症例データが出てきて
普通のQスイッチレーザーと比べて
ADM治療が受けやすくなることが分かれば
第一選択肢は、このレーザーになります。

詳しくは、フラクショナルQスイッチレーザーを見てください。

シミ治療可能クリニック

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シミ治療解説

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