手術による刺青除去

刺青除去方法には
大きく4つの除去方法があります。

1:メス切除縫合する方法
2:皮膚を削いで上皮化を待つ方法
3:皮膚を削いで皮膚移植する方法
4:レーザーによる方法

ここでは、レーザーを使用した
刺青除去について解説します。
1~3の刺青除去については
以下のページを見てください。

手術による刺青除去の解説

補足(2016.7現在)

現在、ピコレーザーが登場しています。
現状の評価と課題については
以下のページでまとめています。

ピコレーザーによる刺青除去の現状と課題についてはこちらへ

刺青除去に使用するレーザー機種のチェック

美容皮膚科・美容外科で
レーザーによる刺青除去を受けたい場合には
そのクリニックで使用する
刺青除去レーザーの機種を
チェックする必要があります。

それは、使用するレーザー機種によって
刺青除去効果に大きな違いが生じるからです。

どんなパルス幅のレーザーが使われているのか?

刺青除去では、Qスイッチというパルス幅の
レーザーが使われています(ピコ秒レーザーは後述)。

Qスイッチレーザーというのは
威力の強いレーザーだと考えておけばいいです。

パルス幅の詳しい説明はこちらを見てください

どんな波長のレーザーが使われているのか?

まず、波長がポイントになります。
多くのクリニックでは
シミ治療で使っているQスイッチレーザーを
刺青除去でも使っています。

具体的には、以下の3つです。
Qスイッチ・ルビーレーザー(694nm)
Qスイッチ・アレキサンドライトレーザー(755nm)
Qスイッチ・Ndヤグレーザー(1064nm)

この3つのレーザーでも
除去可能な刺青はありますが
これらの波長は基本的には
「シミ」の色を得意とする波長です。

従って、除去したい刺青が
黒っぽい刺青であれば取れることもある
ということになります。

その他の色についてですが
多少は反応すると思いますが
現時点では、この3つの波長だけでは難しいでしょう。

刺青除去で一番使われているレーザーは何か?

上記した3つの中では
Qスイッチ・Ndヤグレーザー機器が
一番、刺青除去で利用されています。
(一番効果的という意味ではないです)

それは、機種によっては
1064nm の半分波長である
532nm の波長を出せるものがあるからです。
(KTPレーザーとか呼ばれている)

波長532nm のQスイッチレーザー

この波長は、シミ治療でも使われていますが
赤色にもよく反応するので
赤色系の刺青除去に使われています。

このように、1064nm と532nm の両方の波長が出せれば
単独の694nm 、や755nm よりも
対応できる刺青のタイプが広がります。

波長によって反応しやすい色が違うので
1つの波長しか使えないよりは
より多くの波長が使えることが
レーザー刺青治療ではプラスとなります。

いわゆる刺青レーザーとは何か?

刺青除去では複数の波長レーザーを
使用できると有利になりますが
それぞれの波長ごとに
1台ずつ揃えていたら
治療スペースは狭くなるし
施術もスムーズに進みません。

そこで、複数の波長を1台で出せる機器が求められました。
それが刺青レーザー(タトゥーレーザー)です。

これまでは、既存の波長を
複数揃えたタイプが刺青レーザーの主流でしたが
今後は、Qスイッチヤグレーザー(1064nm)を
変換して複数波長を出すタイプが
主流になっていきそうな感じです。
以下、具体的に機種を見ていきます。

フォトナ QX MAX

搭載Qスイッチ波長と1照射最大ジュール
・532nm(600mj)
・585nm(340mj)
・650nm(220mj)
・1064nm(1600mj)

特徴1:
青や緑に反応しやすい
585nmや650nm波長がついていること。
特に650nmは珍しい波長なので注目です。

特徴2:
照射威力が非常に大きいこと。
他の機種と比べると圧倒的だと思います。
パルス幅5-20nsで1600mj出せる機種は他ではないかも。

現時点では、最強の刺青レーザーと思います。
これよりすごそうな機種が出てきたら
追加修正していきます。
(ピコ秒レーザーについては後述)

フォトナ解説はこちら

波長585nm、650nmレーザーについて

585nmや650nmの波長は
1064nmを532nmに変換したものを
さらに変換することで実現しています。
変換すると、威力は落ちていくので
585nmや650nmで効果のある照射をするには
大元の1064nmで強力な照射が出せることが必要になります。
だから、1064nmで「1600mj」という
凄い数値になっています。

なお、メドライトC6やRevLiteなども
585nmや650nmを出せるように
アップグレードできるみたいですが
1064nmの最大照射ジュールが不明です。
情報が分かれば追加していきます。

トライビーム・プレミアム

搭載Qスイッチ波長と1照射最大ジュール
・532nm(400mj)
・1064nm(1600mj)

585nmや650nmは出せないものの
QX MAXに次ぐ、強力なマシーンです。

トライビームプレミアム解説はこちら

レブライト

メドライトC6の上位機種になります。
波長585nm、650nmレーザーが使えます。

また、ダブルパルス照射ができます。
これもかなり刺青除去に適しています。

レブライト解説はこちら

AlexTriVantage

搭載Qスイッチ波長と1照射最大ジュール
・532nm(200mj)
・755nm(800mj)
・1064nm(400mj)

アレックストライバンテージ解説はこちら

VERSA PLUSE C

搭載Qスイッチ波長と1照射最大ジュール
・532nm(400mj)
・755nm(450mj)
・1064nm(400mj)

Tattoo star effect

搭載Qスイッチ波長と1照射最大ジュール
・532nm(不明)
・694nm(不明)
・1064nm(不明)

その他レーザー:炭酸ガスレーザー

これはQスイッチレーザーとは作用が違うもので
皮膚組織を削り飛ばすレーザーです。
刺青も取ることは可能(浅ければ)。
但し、炭酸ガスレーザーで削った部分は
ひどい跡になることもあるようです。
現在、あまり行われていない治療方法です。

2013年5月情報

2013年3月ころから
ピコ秒レーザーが話題となっています。
刺青除去に大きくかかわる話です。

これまでの刺青除去レーザーは
ナノ秒単位で照射できるQスイッチレーザーのみ。
そして、Qスイッチレーザーの中では
どれだけ強い照射ができるかが
除去結果に大きく影響していたので
1照射最大ジュールがポイントでした。

今話題となっているピコ秒レーザーは
照射速度がアップしているので
1照射最大ジュールを上げなくても
強い照射ができることになります。

但し、そのピコ秒レーザーを
現在、日本で導入しているクリニックは無し。
今後に注目となります。

補足(2016.7現在)

現在、ピコレーザーが登場しています。
現状の評価と課題については
以下のページでまとめています。

ピコレーザーによる刺青除去の現状と課題についてはこちらへ

タトゥー除去 関連情報

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ピコレーザー機種紹介

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