手術による刺青除去

刺青除去方法には
大きく4つの除去方法があります。

1:メス切除縫合する方法
2:皮膚を削いで上皮化を待つ方法
3:皮膚を削いで皮膚移植する方法
4:レーザーによる方法

ここでは手術による方法として
1~3を解説します。
レーザーによる刺青除去については
以下のページを見てください。

レーザーによる刺青除去の解説

手術による刺青除去の長所短所

手術による刺青除去のメリットは
現実的に除去できる
範囲・部位であれば
確実に刺青を除去できます。

但し、手術による刺青除去には
それぞれデメリットもあります。

切除縫合は、切開線が残り
剥削法は、切除跡が残り
皮膚移植は、移植部分と周辺皮膚の
皮膚を比較すると
色・質感に違和感が生じます。

レーザー刺青除去の長所短所

これに対して、
レーザーによる刺青除去は
「消えるのであれば」
術後の問題はほとんどありません。
(多少、彫った形のデコボコが残ることはある)
一番おすすめです。

但し、レーザーで消えるかどうかは
やってみないと分からないという問題があります。
また、治療回数の予測も難しいという問題もあります。

この問題は、2つの面から考える必要があります。
まずは、刺青の状態です。
色、濃さ、深さ等によって結果が違ってきます。

もう1つは、使用するレーザー機種の性能です。
レーザーで刺青を除去する場合には
レーザーの波長や性能によって
大きく効果が違ってきます。
これは、別のページで詳しく解説します。

レーザーによる刺青除去の解説

組み合わせ治療

刺青切除手術とレーザー刺青除去を
組み合わせた治療も可能です。
最終的に、一番キレイな仕上がりになることもあるので
その選択肢も頭に入れておきましょう。

以下、刺青切除手術について
個別に取り上げます。

1:メス切除縫合による刺青除去

切除縫合の場合にポイントとなるのは
何回の除去手術になりそうかという点と
最終的にどんな切開線が残りそうかという点です。

メス切除縫合の手術回数

何回の除去手術になりそうかという点は
刺青自体の大きさだけで決まるのではなく
刺青が入っている部分の皮膚が
どれだけ伸びやすいか等も考慮して
判断していくことになります。

なお、クリニックによっては
手術前に皮膚を伸ばす施術をして
皮膚が伸びてきた段階で
刺青切除手術をするところもあります。

そのような工夫があれば
手術回数は少なくなります。

刺青除去の切開線跡

切開線は必ず残りますが
目立つか否かは別問題です。
キレイに縫合できるドクターを選びましょう。

なお、刺青除去の場合には
皮膚をひっぱって縫合するため
縫合後の戻りを考慮する必要があります。
すると、切開線は一直線よりも
力が分散するジグザグの方が
適している場合が多くなります。

一般の美容外科手術のように
必ずしも一直線が良いとはならないので注意です。

ちなみに、フラクショナルレーザーを使用することで
切開線跡をぼやかすことも不可能ではないので
手術後、しばらく経ってから
仕上げとしてフラクショナル機器治療を
受けるのもいいと思います。

メス切除縫合か、剥削法・植皮法か

前述のようにメス切除縫合の場合には
皮膚がどれだけ伸びるかを考える必要があります。

例えば、背中全体に刺青がある場合は
やろうと思えば不可能ではないと思いますが
何回も何回も皮膚を引っ張っては切るを
繰り返すことになるので
皮膚がひきつったり、突っ張った感じが
強く生じることが予測できます。

そこで、刺青が広範囲な場合や
皮膚が伸びにくい部位の場合には
剥削法・植皮法も選択肢に入れて
検討するとよいでしょう。
(レーザーで取れれば、一番いいけど)

2:剥削法による刺青除去

剥削法(削皮法)というのは
刺青部分を切り取って
そこが皮膚化するのを待つ手術方法です。

但し、皮膚化するといっても
火傷跡のような皮膚になることがあります。
そこまでいかなくても
周辺の皮膚との違和感は必ず生じます。

3:植皮法による刺青除去

植皮法は
どこの皮膚を使って植皮するかで
分けることができます。

1:
自分の正常な皮膚をはがして
それを使用する植皮手術。

2:
切り取った刺青皮膚部分を
非常に薄くスライスカットして
下の真皮部分を捨てて
上の表面皮膚部分だけを再使用する植皮手術。

前者が一般的な植皮手術です。
後者は手術の作業は面倒になりますが
正常な皮膚をはがす必要がない点がメリットとなります。
(正常皮膚をはがした部分は跡が生じます)
ただ、皮膚を再使用する点で質感は前者よりも劣りそうです。

どちらにしても
刺青を除去して植皮した部分と
そのまわりの皮膚とを比べると
何らかの違和感が生じるのは間違いありません。

培養皮膚による植皮

なお、将来的には
培養皮膚が一般的になるかもしれません。

口内の粘膜細胞などから皮膚を培養して
それを利用することができれば
正常な皮膚をはがすこともなく
しかも、新しいキレイな皮膚を刺青除去部分に
貼り付けることができるので
植皮手術方法の中では
一番キレイに仕上がるのではないでしょうか。

培養皮膚の料金についてですが
現在、保険適応になった場合でも(火傷とかの場合)
ハガキ1枚分で30万円するとのこと(たぶん3割)。
刺青除去だと保険適応は無理なので
1枚で100万くらいになるのでは。

参考
培養皮膚(世界一受けたい授業20110806)

タトゥー除去 関連情報

症例写真を見る

タトゥー除去解説ページ一覧

ピコレーザー機種紹介

上に戻る