腱膜性眼瞼下垂症について

腱膜性の眼瞼下垂が注目されるにつれて
眼瞼下垂手術の症例数が増えてきました。
比較的、若い人も手術を受けています。

ただ、腱膜性眼瞼下垂については
保険適応の判断基準が
ドクターにより大きく異なるので
健康保険で手術を受けたいと思っている人は
その傾向を知っておく必要があります。

目次

1:前提知識
2:それぞれの場所
3:それぞれの役割
4:腱膜性眼瞼下垂症とは
5:腱膜と瞼板との結合が緩む原因
6:腱膜性眼瞼下垂になるとどうなる?
7:腱膜性眼瞼下垂の手術方法
8:料金は?
9:保険適応はされるのか?
10:次の解説

前提知識

腱膜性眼瞼下垂という症状を理解するには
目が開く仕組みを簡単に理解しておく必要があります。

最低限、以下の3つの器官について
その場所と役割を覚えておきましょう。

診察やカウンセリングでは
必ず出てくるキーワードです。

1:眼瞼挙筋(がんけんきょきん)
2:腱膜(けんまく)
3:瞼板(けんばん)

その他、余裕があれば
眼窩隔膜の場所を
覚えておくとよいでしょう。

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それぞれの場所

イラストを用いて説明している
ホームページが多くあるので
それらを参考にするとよいでしょう。

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それぞれの役割

【瞼板とは】
上マブタにある軟骨です。

【眼瞼挙筋とは】
上マブタを持ち上げる筋肉。

【腱膜とは】
眼瞼挙筋の先頭部分のことで
瞼板と結合しています。

正常なマブタであれば
腱膜と瞼板が、しっかり結合しています。
だから、眼瞼挙筋が動けば瞼板が持ちあがります。

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腱膜性眼瞼下垂症とは

腱膜と瞼板との結合が緩んだ(or外れた)ことが原因で
上マブタに下垂が生じている症状をいいます。

結合が緩んでいると
なかなか瞼板は持ち上がりません。

イメージとしては
腱膜と瞼板をつなぐ連結部分の
ネジが緩んでいたり
ネジが外れていたりしているのが
腱膜性眼瞼下垂症です。

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腱膜と瞼板との結合が緩む原因

自分で行ってしまう原因として
よく言われているのが
アトピーで目を擦る行為だったり
メイク落としによる摩擦、
コンタクトレンズの長期使用です。
あと、アイメイク等でも生じえます。

他者行為の原因としては
二重切開手術や
白内障手術などがあげられます。

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腱膜性眼瞼下垂になるとどうなる?

では、腱膜と瞼板との結合が緩んだり伸びたら
目は開かなくなるのか?

瞼板には、腱膜(眼瞼挙筋)以外にも
いろいろな組織(ミュラー筋など)が結合しているので
瞼板から腱膜が外れたからといって
全くマブタが開かなくなるわけではなく
余計なところに力を入れる」ことで
なんとか目を開けることになります。
(典型は、額にシワを作り、目を開ける場合)

そして、「余計なところに力を入れる」時に
ミュラー筋と呼ばれる筋肉が使われることがあり
それが原因で様々な自律神経系の病気・症状が
引き起こされているのではないかと言われています。

このミュラー筋の影響に着目したのが
信州大学の松尾教授であり
眼瞼下垂手術で松尾先生が有名なのはそのためです。

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腱膜性眼瞼下垂の手術方法

様々な手術方法がありましたが
現在(2012年)では
「腱膜前転術」的な手術が一般化しています。
少なくとも形成外科では
それらの方法が第一選択肢だと思います。

眼瞼挙筋やミュラー筋を切断したりせずに
外れて奥に隠れた腱膜を
本来あったであろう位置まで
ひっぱり出して瞼板に固定する方法です。
(信州大学系は眼窩隔膜と瞼板固定の手術へ)

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料金は?

腱膜性眼瞼下垂の手術料金は
自由診療だと30万円位~です。

二重切開法よりも料金は高くなるのが一般的です。
二重切開法に腱膜処理の料金が上乗せされるからです。

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保険適応はされるのか?

先天性眼瞼下垂や
加齢性眼瞼下垂の場合には
診察するドクターによって
それほど判断に差がつくとは思えません。
(見た目で判断がつくことが多い)

しかし、この腱膜性眼瞼下垂については
診察するドクターによって
保険適応とするかの判断で
大きな差がついています。

瞼板から腱膜が外れているかを
見た目から判断するのは難しいからです。

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次の解説

加齢性眼瞼下垂症とは

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